TEL
胃がんの治療は進行度(ステージ)によって異なります。
ステージ1
胃がんが胃の粘膜から筋層に留まっており、リンパ節や胃以外の臓器に転移がない
→内視鏡的切除、手術
ステージ2、3
胃がんが胃の外側まで及んでいるが隣の臓器に及んでいない、あるいは胃の近くにあるリンパ節に転移があるが、食道以外の臓器に転移がない
→手術(術後に抗がん剤)
ステージ4
胃がんが隣の臓器に及んでいるか、胃から遠くのリンパ節や胃以外の臓器に転移がある
→抗がん剤(あとで手術する場合もあります)
胃がん手術の大部分をロボット手術で行っています。手術支援用ロボット(ダビンチ・サージカルシステム)の鉗子は多関節で精細な操作を行うことができ、術者の手の動きと鉗子の動きの比率を調節する機能や、手振れ除去機能があるため、従来の腹腔鏡手術よりも精度の高い手術ができると考えています。
胃がんに対する手術では、がんができた場所や進行度によって胃を切除する範囲やリンパ節を切除する範囲が異なります。胃の出口(幽門)近くにできたがんでは幽門側胃切除術(胃の出口側を2/3切除)、胃の入口(噴門)近くのがんで比較的早期のものには噴門側胃切除(胃の上部1/2を切除)、胃の入口(噴門)近くまでがんが及んでいて進行したものには胃全摘術を行います。これらはロボット支援手術で行うことができますが、がんが隣の臓器に及んでいる場合などには、開腹手術を行う場合もあります。
胃の入口(噴門)近くのがんは「食道胃接合部がん」と分類されることもあります。食道下部と胃上部を切除して、残った胃と食道を吻合します。単純につなぐと胃酸が食道に逆流しやすくなり、ひどい胸焼けがおこります(逆流性食道炎)。そこで、逆流を防ぐための特別な方法で吻合をします。その際にロボット鉗子の精密な動きがとても役立ちます。
ロボット支援下胃切除術の様子。ロボットには4つの腕があり、近くに助手2人と看護師がいます。術者は少し離れた場所でロボットを操作しています(写真には入っていません)。
肝臓への動脈と胃への動脈が一緒になっていて、途中から分岐しています。胃に向かう動脈のみを切離してリンパ節郭清をしています。
心臓の近くで食道と胃を吻合しているところ。ロボットの精密な動きが役立ちます。
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Ishinomaki